VINEP

WHAT’S VINEP?
VINEPとは

Vietnam Nutrition-system Establish Project、略してVINEP。ベトナムで複雑化し高まっていた栄養課題に対し、正しい栄養知識を国民に提供できる最適な人材(栄養士)を養成し、栄養制度を確立するプロジェクトです。2011年にベトナム国立栄養研究所(NIN)と味の素株式会社が合意してスタートしました。同国初の栄養士を生み出し、栄養士の地位を定めた規程承認への働きかけを行いました。さらに栄養士養成の拠点となる大学が増え、栄養士が社会で活躍できるような制度作りへの協力をしています。

Vietnam Nutrition-system Establishment Project (VINEP) aims to train the most suitable human resources (DIETITIANS) who can provide correct knowledge to the people of Vietnam and to establish a nutrition system in response to the increasing complexity of nutritional issues in Vietnam. VINEP was launched in 2011 with an agreement between the Vietnam National Institute of Nutrition (NIN) and Ajinomoto Co., Inc. VINEP produced the first dietitians in Vietnam and it also worked to approve the regulation that defines the status of dietitians. Furthermore, VINEP is cooperating with the creation of a system that allows dietitians to play an active role in society, as the number of universities serving as bases for dietitian training is increasing.

HISTORY歩みとこれから

2011

ベトナム国立栄養研究所と味の素(株)イノベーション研究所の共同研究をきっかけに、2011年よりベトナムでの栄養学教育や諸制度の充実を目的とした「ベトナム栄養関連制度創設プロジェクト(VINEP)フェーズ1」を開始。

2012
ベトナム教育訓練省による学士校認可

「VINEP」の一環として、味の素(株)・ベトナム味の素社共同で、ハノイ医科大学・ベトナム国立栄養研究所の二者と、ベトナム国内における栄養士養成を目的とした覚書を締結。この覚書に基づき、味の素(株)の寄付金によって「栄養・食品の研究講座」がハノイ医科大学に開設されました。その後、ベトナム初の4年制栄養学学士課程をハノイ医科大学に設置することがベトナム教訓練省より認可されました。

※ (公社)日本栄養士会や十文字学園女子大学、神奈川県立保健福祉大学と協働。

2013
ベトナム初の4年制栄養学学士課程がハノイ医科大学で開講。2013年9月に47名の第1期生を迎えた。

味の素(株)およびベトナム味の素社では、学士課程のカリキュラムや専門課程の教科書作成のサポートや専門課程での栄養生理学の講義も行っています。((公社)日本栄養士会や十文字学園女子大学や神奈川県立保健福祉大学等と協働。)

2014

(独)国際協力機構(JICA)の事業を活用し、ハノイ医科大学で栄養学を学ぶ学生5名と教官数名の日本での栄養学研修(2週間)を実施。日本の栄養制度や味の素グループで実施しているアミノ酸・栄養分野での企業研究などの理解が高まるのと同時に、将来のベトナムでの栄養に関する活動や取り組みを考えるきっかけとなりました。

※ 「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」

2015

ベトナムでの栄養士が社会で活躍できるような制度づくりを目的に「VINEPフェーズ2」を開始。

栄養士の地位を定める規程(ジョブコード)がベトナム政府により承認された。

これまでの働きかけにより2015年10月、栄養士の地位を定める規程(ジョブコード)が、ベトナム政府により承認(同11月施行)されました。これにより「栄養士」という職種で、病院・保健所・公務員等に就職するための素地ができました。

学生が卒業後に栄養士となったときに必要な活動基準創設への取り組みとして、厚生労働省管轄下の医療技術等国際展開推進事業※1を活用し、ベトナム栄養関係者の日本研修※2とベトナム三都市(ハノイ、フエ、ホーチミンシティ)でのベトナム研修を実施しました。本ベトナム研修では、日本の栄養制度の紹介とともに、栄養士養成のための教育制度やジョブコードに関する最新情報を多くの現場の栄養関係者に対して説明するワークショップを実施しました※3

  1. ※1 国立国際医療研究センターが実施する「医療技術等国際展開推進事業」における研修
  2. ※2 (公社)日本栄養士会、神奈川県立保健福祉大学、京都府立大学、京都大学医学部附属病院、同志社女子大学や京都女子大学等と協働
  3. ※3 ベトナム国立栄養研究所、(公社)日本栄養士会、京都府立大学、バックマイ病院、フエ医科薬科大学やホーチミン市医科薬科大学、ホーチミン市栄養センター等と協働
2016

ベトナム中部のフーイエン省にて、味の素(株)がベトナム保健省をサポートし、ワークショップを開催。

※ ベトナム保健省、ベトナム国立栄養研究所、(公社)日本栄養士会、フーイエン医科大学と協働

2017
2017年8月、ベトナム初の栄養学士43名がハノイ医科大学を卒業し、病院や企業、行政などへの就職が始まった。

ベトナムで栄養士が社会で活躍できるような制度充実・全国拡大を目的に「VINEP フェーズ3」を開始。

栄養士が働くための基準(Nutrition Standard)の制度化への取り組みとして、医療技術等国際展開推進事業を活用し、ベトナム栄養専門家の日本研修およびハノイ・ダナンでのベトナム保健省主催のワークショップを実施。ワークショップでは糖尿病患者の栄養管理などの重要性を病院・行政関係者に伝えています。

※ ベトナム国立栄養研究所、京都女子大学、京都大学医学部附属病院、金沢学院大学と協働

2018

引き続きNutrition Standardの制度化への取り組みとして、日本研修を実施。ホーチミンシティ・カントーでワークショップを実施し、臨床栄養管理などの重要性を伝えています。

2019

ハノイ・カントーでワークショップ(テーマ:臨床栄養実践・嚥下困難食・Nutrition Care Process など)を実施。

2020
ベトナム保健大臣通達「2025年までにベトナムの病院100床に1人の栄養士または栄養専門家を配置する」が発出された。

これまでの働きかけにより2020年11月に保険大臣通達が発出され、栄養士が病院に就職するための素地ができました。

2022

「VINEPフェーズ4」を開始。引き続き栄養士の養成制度をベトナム全土に展開するとともに、栄養士の業務内容指針となるニュートリションスタンダードやガイドライン、ライセンス制度などの創設活動を行い、栄養士が働きやすい環境の確立を目指していきます。

日本の学校栄養モデルをベトナムの小学校に導入するためのパイロット研究を開始(学校栄養プロジェクト)。

※ ベトナム教育訓練省、ベトナム科学教育研究所、ベトナム国立栄養研究所、ベトナム国家大学、新潟県立大学、(公社)日本栄養士会と協働

22nd IUNS-ICN International Congress of Nutrition in Tokyo, Japanのシンポジュウムにおいて、学校栄養プロジェクトの取り組みを紹介しました。

2023

日越外交関係樹立50周年

VINEP関係組織図